スパーク・プラグについて


プラグとは、ガソリンと空気の混合気に点火し、爆発を促す役割をしています。プラグの焼け具合を見ると、エンジンの調子が大体分かるというぐらい、点火だけではなく、エンジンの体調を伝えてくれる役目もしてます。
プラグは消耗品です。メーカーの推奨交換時期は、バイクの走行距離で判断すると、約6,000km毎と言われていますが、それ以上使用されても走れることは、走れます。ただプラグ本来の仕事である、「点火」ということに関しては、火花の強さが弱まってきますので、エンジンの力が知らず知らずのうちにダウンしたり、燃費が悪くなったり、アイドリングが安定しないなど、「なんだか、調子が悪い」という症状であらわれます。この「なんだか・・・」がくせもので、はっきりと調子が悪くなるまで、いくら交換時期がきても交換されない方も大勢います。


1.  交換時期について

上記の説明の通り、距離で判断すると約6,000km毎ですが、それ以外にも次の例ではそれより早目の交換となります。

a.  エアー・フィルターが汚れ、プラグが黒くすすけたようになった時。(ガソリンの比率が多くなる)

b.  キャブレターのオーバー・フローにより、プラグが黒くなった時。(ガソリンの比率が多くなる)

c.  プラグ以外の点火系のトラブルでプラグが失火し、黒くすすけたようになった時。

d.  エンジンの異常燃焼により、プラグ自体が異様に熱を持つようになった時。

e.  エンジン・オイルがシリンダー内で燃えて、プラグが黒くすすけたようになった時。

f.  プラグの製品不良で、ひびが入った時。


‘d’と‘f’の状態は例外として、全体的にいえることは、プラグが黒くなってしまうと、交換の可能性が高くなるという事です。これは黒い(スス)=カーボンで、このカーボンが失火の原因となる為です。高温のバーナーで焼くとかクリーナーできれいにするなど、カーボンを除去する方法もありますが、なるべくなら交換してください。
また、プラグ単体でのトラブルは以外と少なく(使用寿命を除く)、他のトラブルが原因となるケースがほとんどですので、その判断を間違えると、短期間の間に何度もプラグを交換しなければいけなくなります。


2.  プラグの熱価

プラグには熱価という基準があります。例えば、「NGK CR8EK」とか「デンソー U24ESR−N」などの”8”とか”24”いう数字が熱価です。混合気をスパークにより燃焼させると、当然プラグもその熱を受け、温度がどんどん上昇していきます。熱を受け続けることによって、電極が溶けたり、陶器部分が割れたりします。このプラグ自体の熱を放出させる、冷やす度合いを「熱価」と呼び、数値が高いほうがその度合いが強いプラグということです。熱価の低いプラグをホット・プラグと呼び、加速、低速を重視しています。高めのプラグはコールド・プラグともいい、耐久性の重視されるレースなどで使われます。
それぞれの車種により、メーカー推奨の熱価が決まってますので、交換の際にはこのあたりも注意しなければいけません。